ダーツフライトとは?
ダーツのフライトとは、ダーツの羽根の部分です。
ダーツの空中での姿勢を安定させる役割を持つパーツで、破れたり壊れたりする消耗品です。
フライトは素材や形状、種類が多いパーツなので、それぞれどのような違いがあるかをご紹介します。
フライトの役割とは
フライトは、ダーツが飛んでいるときに水平方向や垂直方向への挙動を安定させる役割を持っています。
(飛行機にとっての翼と同じ役割です。)
試しにフライトなしでダーツを飛ばしてみると、よほど綺麗に投げない限り、ダーツの頭が縦や横にあちこちに傾いて、上手く刺さりません。
フライトがわりにシャフトにセロテープ1枚を貼ってみるだけでも、ダーツはある程度刺さるようになります。
フライトの形状はどんなものがある?種類と特徴をご紹介
フライトの最大幅や表面積によってダーツの飛び方に変化が生じてきます。
フライトの形状は、伝統的な形としては 「スタンダード」 「シェイプ」「カイト」「ティア」「スリム」などがあります。
スタンダード
六角形の形状をしており、文字通り一番スタンダードな形状です。
幅が広く表面積が大きいので、紙飛行機のつばさが広いものを投げた時のようにゆったりと飛びます。
速度は下がりますが、フライトの姿勢制御力は高く、軌道を安定させる力が強いのが特徴で初心者向きです。
シェイプ
シェイプはスタンダードより少しだけ小さく、横幅がフライトの差し込み口に向かってわずかに斜めになった形状です。
メーカーによっては「セミスタンダード」「スモール」など呼び方が変わります。
スタンダードとの差はわずかですので、こちらも初心者にオススメの形状です。
日本では初心者からトッププレイヤーまで、一番ユーザーが多い形状です。
そのため色柄もデザインも一番豊富。
かわいいものから、かっこいいもの、選手モデルやキャラクターものまで選択肢が多いです。
悩んだらこちらの形状を選びましょう。
ティア
涙型のティアドロップという形状です。
ペア(洋梨)と呼ぶメーカーもあります。
曲線的な形状が特徴で、サイズはスタンダードとスリムのちょうど中間くらいです。
矢速は早いまま、姿勢制御力も高く、飛びを重視するプレイヤーに人気です。
スリム
表面積も小さく、幅もかなり狭いスリムという形状。
「スーパースリム」と呼ぶメーカーもあります。
空気抵抗が少ないため矢速が早く、鋭い飛びが可能です。
その反面、姿勢制御力が低く、ダーツ自体が暴れやすいので、グルーピングを重視する上級者や、ハードダーツプレイヤー向けの形状です。
その他の形状
最近では各メーカーから、サイズの異なる面白い形状がどんどん発売されています。
ただ、どんなにいろんな形状がでていても、根本的な考え方は同じです。
フライトは「表面積」や「最大幅」、そして「シャフトと合わせた重量」などで飛びが変わります。
ここから先の話は少し難しいのですが、自分の投げ方や、ダーツの刺さり方、使用バレルに合わせてセッティングを変えて行く際に参考にしていただければと思います。
フライトの表面積の違いが与える影響
フライト(羽根)が大きくなればなるほど、ダーツの姿勢制御力が大きくなり安定感が増します。
俗に「ごまかしがきく」と言ったりしますが、フライトが風の抵抗を受ける事で投げたダーツの向きを修正し、軌道や飛びを安定させてくれます。
そのため、初心者にはスタンダードやシェイプなどの大きめの形状がおすすめです。
ほとんどのプレイヤーが上級者になってもシェイプの形状を使っていますので、やはり面積の大きい形状のフライトの安定性は高く、プレイヤーに最も重視されるポイントと言えます。
表面積が大きいフライトは、空気との接地面も大きいため、空気抵抗が大きくなり、矢の速度が下がります。
わかりやすく極端な事例で言えば、紙飛行機のつばさが広いものと狭いものを投げ比べた時と同じ。
広いものはゆったりと、細いものは鋭い飛びをします。
自分の理想のダーツをイメージする上で、軌道だけではなく、どの程度のスピードでターゲットを狙うかという点も重要なポイントです。
矢速をあげたい場合は、フライトの表面積の小さいものを選ぶといいでしょう。
フライトの最大幅の違いが与える影響
最大幅が小さいものは、後続のダーツが弾かれづらくグルーピングには有利になります。
※ 厳密にいうと最大幅が同じでも、フライトの前方(付け根部分)が細くなっているものの方がグルーピングには有利になります。
ちなみに、フライトの最大幅は、ダーツがボードに刺さる時の矢の角度に関係があります。
刺さる時のダーツが下向きに刺さるか、上向きに刺さるかという角度です。
フライトの最大幅を変えることによっても刺さる時の角度をある程度、変更できます。
もちろん、投げ方や、表面積・重量等の影響もありますので、一概には言えませんが、これも自分の理想のイメージに合わせて選ぶと良いでしょう。
海外のプレイヤーはグルーピングに有利な「スリム」を好む傾向があります。
なぜなら、海外ではハードダーツの方が主流で、ソフトの公式サイズ15.5インチと比べ、ハードの公式サイズは13.2と狙う的が小さいからです。
また、ハードダーツでは弾かれると得点にならないため、グルーピングへの考え方がよりシビアといえます。
フライトとシャフトの重量の違いが与える影響
フライトの表面積や最大幅による効果が大きく現れるか、小さく現れるかは、重さによっても変わってきます。
フライトとシャフトのトータル重量が重いほど、フライトの効果は小さくなり、軽いほど効果は大きくなります。
図では便宜上シャフトの重さを一定にしていますが、シャフトの長さ、重さを変えることによって、フライトの効果が変わってくるということです。
これにより、さらにセッティングは細かく調整が可能になります。
※なお、フライトとシャフトの重さが重くなれば、ダーツ全体の重心位置も後ろに移動します。
重心の位置も飛びに影響を与えますので、自分好みの重心に変えたい場合には、フライトやシャフト、シャフトリングなどの重さで調整することができます。
フライトの種類はどんなものがある?種類と特徴をご紹介
フライトの種類は大きく分けて3つです。
- 折りたたみ
- 立体成型
- シャフト一体型
それぞれ順番に説明していきます。
折りたたみ
折りたたみフライトは、昔からある一般的なフライト。
折りたたまれた状態から自分で開いて使うフライトです。
少し面倒ですが、毎回片付ければコンパクトになるので、小さめのダーツケースでも持ち歩けます。
値段が安いのでバンバン交換したい人にもおすすめです。
かっこいいものから可愛いものまでデザインの種類も豊富。
そのままだとフライトが外れやすいので、穴あけ加工をおすすめします。(後述)
立体成型
立体成型は、初めから立体に作られているフライト。
常に90度に開いた状態でキープでき、飛びの安定性がより高まります。
最近では、ペンのキャップをはめるように、簡単にシャフトにフライトをつけることができる立体フライト(フィットフライト)が人気があります。
専用のシャフトを使用することによってフライトが回転し、後続のダーツを弾きにくくなるなど、+αの機能も充実。
シャフト一体型
立体タイプでシャフトも一体になっているフライトです。
こちらはフライト装着そのものが不要で、フライトの付け方がわからないなんて方にもおすすめ。
フライトが外れる心配がないのでノンストレスです。
柔らかくてしなる素材から硬いものまで色々発売されています。
デザインも可愛いものからかっこいいものまで豊富で好みのものが探せます。
フライトは消耗品?交換のタイミングの見定め方
フライトは消耗品です。
交換のタイミングは、個人の好みにもよりますが、最低ラインとして「破れたり、割れたり、曲がったりした」場合には交換した方がいいでしょう。
他にもギザギザになってきたり、フライトが剥がれてきたり、うまく90度に開かなくなってきたりした場合には交換しましょう。
あまり粘って使っていると、飛びに影響が出る場合もありますのでおすすめできません。
交換タイミングの例
上の写真は、もう限界を突破しているレベルでしょうか。
無理して使っていると、飛びに影響を与えるだけではなく、ボロボロになってダーツがうまく刺さりにくくなり、床に落ちて、逆にシャフトなど他のパーツが壊れることもあります。
高いものをボロボロになるまで使うよりは、安いものをガンガン交換する方がまだ良いかもしれません。
きちんと交換して3本とも同じ飛びをキープできるようにしましょう。
フライトの加工(穴あけ)について
折りたたみフライト限定になりますが、投げるたびにフライトが外れて拾うのが大変!なんて時は、フライトの穴あけがおすすめ。
穴あけ加工をすることにより、シャフトからフライトが外れにくくなる効果(スロットロック)が得られます。
ちなみに立体タイプは、最初から穴があいています。
ですので、後加工でフライトに穴あけができるのは、折りたたみタイプのものだけ。
そもそも立体タイプは、別の仕組みで穴を開けなくてもフライトが外れにくく、穴あけの必要がないものも多いです。
フライトの穴あけ加工の種類
現在、折りたたみフライトの穴あけ加工は大きく分けて3種類です。
- 指輪リング
- シェルロック
- ウィズロック
それぞれ順番に説明していきます。
指輪リング(小)
こちらが一番ポピュラーで、たくさんのメーカーが対応リングを発売しています。
対応リングは、「ターゲットのシャフトリング」、「カメオのフレックスリング」、「L-styleのLリング」、「Ultimadartsのメビウスリング」、「MissionのF lock ring」、「スプリングリング」など。
基本的にはこちらの穴あけがおすすめです。
専用穴あけパンチはこちらでご購入いただけます。
→ 【Harrows】ハローズ 携帯用フライト穴あけパンチ スロットロック加工
※さらに太い指輪リング(大)サイズもありますが、現在はあまり使われていません。
シェルロック
シャフトの先端に被せるようにはめるタイプです。
シャフトの先端に次のダーツが当たって弾かれたり、逆に刺さってシャフトが折れる。なんてことを防いでくれます。
リングに溝が彫ってあり、その溝にフライトをセットすると90度に開いた状態をキープしてくれるという機能もあって一石二鳥です。
L-styleのシェルロックリング専用。
→ 【L-style】シェルロック ダーツシャフトリング
専用穴あけパンチはシェルロックパンチ。
→ 【L-style】シェルロック フライト穴あけパンチ
ウィズロック
ウィズロックはシェルロックと同じでシャフトをの先端に被せるタイプ。
金属製なのでよりシャフトを保護してくれます。
ハードダーツプレイヤーなどにおすすめ。
Winmauのウィズロックというリング専用です。
→ 【winmau】WHIZLOCK シャフトキャップ
穴あけはウィズロックパンチ。
→ 【winmau】WHIZLOCK シャフトキャップ専用 フライト穴あけパンチ
フライトの穴あけ方法
- 当店のネットショップでは、カートにて穴あけ加工を選ぶ画面がありますので、そちらで穴あけのサイズをお選びください。無料で穴あけいたします。
- 既にお持ちのフライトに自分で穴あけする場合は、それぞれの穴の専用のパンチが1,500~3,800円前後で販売されています。
- マキシム両国店(実店舗)では、お客様のお持ち込みのフライトも無料で穴あけ加工いたします。ご来店可能な方はぜひお気軽にどうぞ。
フライトの付け方
フライト、リング、シャフトの付け方は下記のとおりです。
- フライトを開く(画像よりもっとしっかり開く)
- リングを入れる
- シャフトをさす
シャフトをしっかり奥までさすと、フライトが抜けにくくなります。
マキシムスタッフのおすすめ・定番のフライト
マキシムのスタッフがおすすめするフライトを紹介します。
折りたたみフライトは、かなりの種類があります。
お好きな色、柄、デザインを選んで、自分好みにカスタマイズしましょう。
harrows 各種折りたたみフライト
220円~(税抜)
Harrowsフライトは安いのに耐久性もあり、おしゃれなデザインや、かっこいいデザインも多く、安定した人気があります。
こちらはRAPIDEシリーズ。
Fit Flight フィットフライト各種
500円~800円(税抜)
こちらは立体フライトで一番人気のフィットフライト。
フライトの付け方が簡単で、キャップをはめるようにシャフトをフライトにカポッと入れるだけで装着できます。
フライトも抜けづらい上に、スピンタイプを選べば、フライトも回転して、後続のダーツを弾かれにくくするため、グルーピングに有利です。
おしゃれなデザインも豊富。
専用のフィットシャフトが必要ですので一緒にご購入ください。
コンドルフライト
899円~(税抜)
立体タイプでシャフトも一体になったコンドルフライト。
フライトが外れる心配がなくノンストレス。
さらに柔軟性の強い素材で、丈夫で長持ち。コスパにも優れています。
初めてのフライトを考えるのが面倒って方はこちらがおすすめ。
長さは中間サイズのMで始めてみましょう。
フライトの収納方法は?ケースに入れて保管しよう
立体フライトは600~800円前後で、安くない値段にもかかわらず、きちんと保管しないと曲がったりよれたりと、すぐに壊れてしまいます。
フライトを保護するダーツケースやフライトケースは必須アイテムです。
最近では、いちいち分解せずにそのまま収納できるダーツケースがたくさん発売されていますので、バレルもフライトも保護できるダーツケースがおすすめです。
D.craft アルミケース
1,980円(税抜)
ダーツを分解しないまま収納可能で、フライトもしっかりと守ります。
メッシュのポケットもあり、シャフトやチップ、ゲームカード等を一緒に収納可能。
必要最低限を満たしたダーツケースで、アルミケースでこの価格は文句なしにおすすめ。
CAMEO スキニーライト
3,500円(税抜)
ダーツを分解せず収納可能なダーツケース。
中にプラスチックのケースが内蔵されており、フライトからバレルまで完全保護します。
チップやシャフトなどを入れる小物ポケットも充実。
腰掛けダーツケースとしても使いやすいです。
単体のフライトケース
さらに予備のフライトを持ち歩きたい場合など、単体でフライトケースを使うこともできます。
CAMEO Smart CUBE
908円(税抜)
予備のフライトを収納できるフライトケース。
対応フライトも多くて使いやすいフライトケースです。
スタイリッシュなデザインで、ダーツケースなどにジョイントするとおしゃれです。
ダーツの基礎知識を高めるおすすめ記事
ダーツショップMAXIM 実店舗のご案内
東京両国にある店舗では、試し投げ(試投)が随時500種類以上可能!
ダーツは実際に触って投げてみるのがいちばん!ダーツ、ダーツケース、ダーツボード、アクセサリーまで、狭い店内にギッシリ詰まってます!
ダーツショップ MAXIM 東京両国店
住所:東京都墨田区亀沢1-25-1
営業時間:12時~21時(年中無休)